人は孤独で死ぬことがある<大動脈解離回顧録⑦>

食事がノドを通らないなんて。
早く普通に横になりたいな〜。
前回のブログはコチラから。

待ち人来たる。

入院から一週間が過ぎてリハビリも本格的になってきました。
まずはベッドから起き上がり「床に立つ」ところからスタートです。

ほぼずっと寝たままなので「立つこと」がシンドイ。
話には聞いていましたが本当に立てないんです。
コレにはビックリしましたし、本当に復帰できんのかよ?って真剣に考えてしまいました。

この頃からリハビリ室に移動し、肩の可動域を改善したり、大きく深呼吸をする練習をしたり。
深呼吸すると内側から胸が圧迫されるので痛みます。
だから深呼吸することだけでも十分にリハビリの対象なんですよね。

一時間ほどやるだけでめっちゃ疲れます。
肩を動かして、深呼吸して、バーを使って歩いただけなのに。
先が思いやられる・・・。マジで大丈夫なの?オレは・・・。

その頃だったと思います。
待ち人がやってきたのは。

そう、かっちゃんとともちゃんでした。
顔を見ただけで泣きそうになりました。
たぶん実際に泣いてたな。あまり覚えてないけど(苦笑)

実はかっちゃんもともちゃんも、ツヨシも陽田さんも、ボクが手術を受けている間、ずっと病院にいてくれたんです。
みんなで妻を励まし見守り、子供たちを元気づけていてくれたんです。
それを聞かされた時、本当にありがたく感じました。

なんかね。
入院中はとてつもない孤独を感じていたんです。
病気って病気自体だけでも大変なんだけど、それに伴い今までできていたことができなくなることで、人が離れていくような錯覚を勝手に作り出すんですよ。
そして孤独を感じて、余計に病気が治りにくくなり、さらに孤独を感じるようになる。
こうやって負のスパイラルが出来上がっていくんだな。。。

本当に顔を見ただけで安心しました。
そして死ななくてヨカッタなと心から思ったんです。

もし心臓関連を患って死んじゃったら。
たぶんかっちゃんは余計に悲しむと思ったんだよね。
分かる人にしか分からないかもしれないけども。

▲人が来ると元気になる。空元気ということではなく勝手にエネルギーが湧いてくるんだよね。病気して分かったことです。

孤独は人を病ませることになる。

かっちゃんとともちゃんが来てくれて、ツヨシも直後に来てくれて。
Facebookにかっちゃんが「サイモンは生きてます」と投稿してくれて。

それからいろんな人がお見舞いに来てくれました。
カッキー、ワッキー、ジョー、タムさん、ミッツ、B型、やっさん、短パン社長。
本当にありがたかった。

ミッツはシューマイを買ってきてくれた(食えないのに)
ジョーはどら焼きを持ってきてくれた(これも食えない)
ワッキーはこの後に自分が入院しちゃうのに(お腹弱いから)
B型はエロ本を持ってきたっけ(ダメだって言ったのに)
短パン社長はギックリ腰で来てくれた(ボクが病室でテーピングした)
タムさんはツボ押しの道具を持ってきてくれたな(肩こりだったからね)
やっさんは生きててヨカッタって涙ぐんでた(涙もろいよね)
カッキーはニオイのヤツをくれたっけ(ボクはクサいのか)

他にもいたとは思うんだけど思い出せない。
もしいたらゴメンなさい。深くお詫び申し上げます。

妻はほとんどの時間、傍にいてくれてた。
母親も時間の許す限り、わざわざ来てくれていた。
子供たちも放課後に妻が連れて来てくれ、晩ゴハンを一緒に食べたりもした。

そうだった。
ボクは孤独ではなかったんだ。

人と会話をするようになってから明らかに自分が元気になっていくのを感じられるようになりました。

普段からひとりで仕事をしているから、ひとりでいることには慣れていたつもりです。
でもね「ひとり」と「独り」「孤独」は種類が全然違うんだな。

たぶん「孤独死」って、本当に孤独で死んじゃうんだよ。
病気で死ぬのではなく、孤独だから死んじゃうのかもしれない。
その時にそう感じていたのは、鮮明に覚えているんだよね。
誰がお見舞いに来たのかはあんまり覚えていないのにね・・・。

 

たくさんの人がお見舞いに来てくれた。
それは本当にボクを元気にしてくれました。

この後はリハビリが過酷になっていきます。
エアロバイクの野郎があんなにボクを苦しめるとは・・・。

 

つづく

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山田 敬一
株式会社サイモン・やまだ整骨院代表 柔道整復師 
サイモン式テーピングマスター代表
メンタル心理カウンセラー 
G-nius5メディスン認定イメージトレーナー 
藤村正宏氏主宰・エクスマ塾45期卒/エヴァ10期卒/ウルエヴァ1期卒

2008年東京都文京区本駒込に「やまだ整骨院」を開院。
プロ格闘技選手のトレーナーを15年務める。
現在は青山学院大学女子バレーボール部、大相撲佐田の海関、パリ五輪代表女子柔道57kg級舟久保遥香選手のコンディショニングサポート中。
治療現場では「治療を通じてアナタの心と身体を応援します」をモットーに活動中。

テーピングの開発・販売・講習もしています。
(講習に関しては随時ブログにてお知らせしています)

スポーツ歴は中高生時バスケ、専門学校時に柔道、社会人になり格闘技(キックボクシング)をしていました。
修行期間13年を経て34歳で独立開業、35歳でアキレス腱断裂、41歳で大動脈解離を患い生死の境を彷徨いました。
もうスポーツは積極的にはできませんが、身体とメンタルの両面をサポートし、アスリートを目標達成へと導きます。

2020年4月よりオリジナルプロテインを販売開始。
学生競技の現場を体験して「継続して飲むなら美味しくて、身体にいいプロテインを飲んでほしい」その想いからオリジナルプロテインを作りました。

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