接骨院・整骨院が「保険でマッサージをしてくれるところ」だと思われているのは説明不足だから。

一回で伝わるなんてことはほとんどない。
繰り返し何度でも伝わるまで説明すればいい。
伝わっていないから患者さんは選びにくくなる。

 

こんにちは。山田敬一@kei883です。
文京区本駒込で開業して先日で12年を迎えました。
治療家として25年。治療&スポーツ現場最優先で活動中です。
早くスポーツ現場に出たい!そんな今日この頃です。

患者さんに対する説明、しっかりできていますか?

「患者さんに対する説明」と言ってもいろいろなケースがあります。電話応対、問診時、施術術、施術後、アフターフォロー、そのシチュエーションに合わせて、説明する場面があります。

いろいろなケースの中でも柔整師にとって大事になる説明のひとつに前回のブログで書いたように「保険適用ができるかどうか?」が挙げられるのではないでしょうか。

柔整師が保険適用で施術するためには、「負傷した際の原因と日時がハッキリしていること」が必要不可欠です。反対にこれがハッキリしていなければ原則として保険適用はできません。

昨今の保険取り扱いの状況、また保険者からの問い合わせの強化・増加は、明らかに患者さんに対しての無言の圧力にもなっていますが「柔整師が適切に保険適用をしていない」ことにも起因しているように思います。

急性外傷・亜急性外傷に対しての見解も、柔整師業界と保険者の間では食い違っている部分も否めません。
亜急性外傷とはカンタンに書けば柔整師業界においては「繰り返しの外力、からの外傷」を指します。ですが医学的には「急性と慢性の間」を指すので、この業界独特の言い回しです。

個人的には繰り返しの外力からの外傷もケガでしょ。と思いますが、医学的見地に立つと間違いなくおかしな言い回しになるのは否めません。だから「亜急性外傷」という文言は使えなくなっています。
亜急性外傷に関してはこの記事が一番分かりやすく書いていますので、興味のある方はどうぞ。リンク先へ

かなり分かりにくいので患者さんに説明するのも難しいですし、実際に柔道整復師側からすれば、繰り返しの外力からの外傷を保険適用の対象から外されてしまえば、かなりの割合で「保険適用不可」の患者さんになるからです。

 

その前に考えておくことがある

それは「患者さんに対する説明」です。僕が運営している整骨院では、初診時、または再来院の際は、保険適用の可否について厳密に説明しています。

ちなみにやまだ整骨院ではいわゆる「亜急性外傷に関しては保険適用はしない」方針を採っています。厚生労働省通達に則って判断しています。
あくまでボクは通達に準じていますが業界内ではいろいろと考え方があるようなので、この通達に関してこれ以上書くのは差し控えます。あくまでもボクは通達に準じる、というだけです。

患者さんは保険適用についての知識は全くと言っていいほどありません。
「接骨院・整骨院=保険で施術してくれる所」という認識がある患者さんが多いのも事実です
(そもそも接骨院・整骨院がどんな所なのか、柔道整復師自体を知らない患者さんがかなり多いのも事実ですが・・・苦笑)

だからこちらから説明する必要があるんです。

「◯◯さんの症状だと、保険で施術することはできません。なぜなら・・・」のように、しっかり保険適用のルールを説明する必要があります。
これができていないと「あそこは保険でマッサージしてくれる」などと、変なクチコミが発生し、余計に自分の首を締める結果になりかねません。

患者さんに対しての説明は、
1・問診票に記入してもらう
2・記入があいまいな場合は、しっかり質問する

3・記入がしっかりしていても、確認は必ずする

この手順を踏まえた後に保険適用に関しての説明をした方がよいと考えています。

 

▲やまだ整骨院も「各種保険取扱」と掲げていましたが、業者さんにお願いして看板やファサードを変更することにしました。そもそも各種保険取扱の文言は使っちゃダメなんですよね。

 

保険取り扱いを適切にするために

保険適用ができないと患者さんが離れていってしまう。そう考えている柔整師も多いのではないでしょうか?
実際に今までほぼ保険での施術しかしていないのであれば尚更でしょうし、保険適用を中心に施術をしている柔整師には「しっかり説明すること」自体が難しいことなのかもしれません。

保険適用の説明をしっかりするというのは単純に「保険適用で施術をするかorしないか」ということではなく、「実費施術導入とセット」にして考えなくてはなりません。
というのも、保険適用で施術できない時、患者さんに「実費でもいいから施術して欲しい」と言われたら、提案できる施術メニュー(腕や技術)と価格設定がないことには「保険適用以外の施術の選択肢を提供できない」からです。

しつこいですが患者さんは保険適用に関しての知識はありません。だからこそ先にしっかり説明し、保険適用ができるかどうかを「ルールに基づいてハッキリさせること」が大切なのです。
なぜなら説明がしっかりできていないと、最初から「この先生は保険でやらないで実費治療にしたいと思っている」と考えられがちだからです。

ボクも問診時に疑問に思ったことなどは患者さんに質問しますし、かなり細心の注意を払って説明をしていきます。もちろん説明しても納得してもらえないこともあります。その時は施術をお断りするか、施術せずに患者さんがそのまま帰る、のどちらかになります。

ボクは保険適用できる症状ならば、なるべく保険適用で施術をしたいと考えています。せっかく国に認められていて、なおかつ患者さんも健康保険料を納付されているわけです。
それならばできることは保険適用でやっていきたいですし、保険取り扱いに関してを勘違いされてはもったいないですし、何より「あそこは何でもかんでも実費治療にする」なんて言われたくないですからね。

その上でしっかり保険適用についての説明をしていけばいいんじゃないかな、そう考えています。

我々柔整師が適切な保険取り扱いをすることは、これからの業界にとってもとても重要なことだと考えています。そして国民皆保険制度を維持していくためにも必要なことなんです。

余談ですがボクはかなり前、整体師やカイロプラクターに「柔整師は保険が使えるから集客できる」というようなことを何度も言われた経験があります。
これはこれで否定しようとも思わないのですが、言葉の裏には「どうせ保険適用外の症状でも、保険で施術してるんでしょ」という言葉が透けて見えていました。

昨今は国家資格の有無に関することも取り沙汰されていますが、国家資格云々も大切なことではありますが、その前に「ルールをしっかり把握し、患者さんに説明し、その上で保険取り扱いをすること」も合わせて重要なことなのではないかボクはそう考えています。

前回のブログも合わせて読んでおくといいですよ♡


一回で伝わるなんてことはほとんどありません。
繰り返し何度でも伝わるまで説明すればいいし、するしかないのです。。
ルールが伝わっていないから患者さんは「どこに行けばいいのか?」を選びにくくなるのですから。

整骨院の経営はルールを守ることも含まれますからね。

 

テーピングマスター
やまだ整骨院 院長 山田敬一

 

ボクの想いに共感していただけた方、また高品質のプロテインを探している方、ぜひぜひ下のショッピングサイトをチェックして下さい。できれば買って下さい(笑)
これからテーピングもコチラで買えるようにしていきますよ!

 

やまだ整骨院オンラインショップはコチラ

 

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山田 敬一
株式会社サイモン・やまだ整骨院代表 柔道整復師 
サイモン式テーピングマスター代表
メンタル心理カウンセラー 
G-nius5メディスン認定イメージトレーナー 
藤村正宏氏主宰・エクスマ塾45期卒/エヴァ10期卒/ウルエヴァ1期卒

2008年東京都文京区本駒込に「やまだ整骨院」を開院。
プロ格闘技選手のトレーナーを15年務める。
現在は青山学院大学女子バレーボール部、大相撲佐田の海関、パリ五輪代表女子柔道57kg級舟久保遥香選手のコンディショニングサポート中。
治療現場では「治療を通じてアナタの心と身体を応援します」をモットーに活動中。

テーピングの開発・販売・講習もしています。
(講習に関しては随時ブログにてお知らせしています)

スポーツ歴は中高生時バスケ、専門学校時に柔道、社会人になり格闘技(キックボクシング)をしていました。
修行期間13年を経て34歳で独立開業、35歳でアキレス腱断裂、41歳で大動脈解離を患い生死の境を彷徨いました。
もうスポーツは積極的にはできませんが、身体とメンタルの両面をサポートし、アスリートを目標達成へと導きます。

2020年4月よりオリジナルプロテインを販売開始。
学生競技の現場を体験して「継続して飲むなら美味しくて、身体にいいプロテインを飲んでほしい」その想いからオリジナルプロテインを作りました。

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