椎間板ヘルニアは治るの?治らないの?

椎間板ヘルニアは改善します。
必ず「治ります」とは断言できませんが大丈夫です。
適切な処置と、地道な努力が必要です。

椎間板ヘルニアって言われた

腰痛にはさまざな種類があります。
大きく2つに分けることができます。
・筋肉が傷んでいる場合
・骨が傷んでいる場合
まずはこの2つに分けて考えていきます。

椎間板ヘルニアは「骨が傷んでいる場合」に分類します。筋肉系の症状ではなく、骨格系の症状という考え方です。

整骨院をやっていれば「整形外科で椎間板ヘルニアだと言われたんですけど」と言って来院する腰痛患者さんがいるはずです。
実際にボクも学生時代に部活でバスケットをやっていて腰を傷めたことがあります。後日、整形外科で検査を受けたら「軽いヘルニアですね〜」と言われたことがあります。

あなたがもし「椎間板ヘルニアです」と整形外科で言われたらどう思いますか?
一般の方ならほとんど「これはヤバイかも」「爆弾を抱えてしまった」「これって治るのかな」「手術しなくちゃいけないのかな」など、こんな風に考えてしまうことでしょう。

大丈夫です。あえて大丈夫と言い切ります。理由を書いていきますね。
(山田個人の私見も入ります。異論反論もあるのは承知の上で書きます)

▲椎間板ヘルニアはカンタンに改善できる症状ではありませんが必ず改善できます。大丈夫。ボクはそう言い切りますしそうやって患者さんと向き合っています。

椎間板ヘルニアを恐れることなかれ

椎間板ヘルニアの症状の特徴としては「腰の痛み」「足のしびれ」が挙げられます。腰そのものの痛みや、腰から足にかけてのしびれが主な特徴です。

しびれに関しては、人それぞれしびれる部分が違ってきます。腰から太ももにかけての放散痛を訴える人もいれば、ふくらはぎや足の指がしびれるといった人もいます。(ボクは腰の痛みと足の指のしびれでした)

整形外科ではレントゲンやMRIなどの画像診断を経た後、異常があれば「椎間板ヘルニア」と診断されます。軽度から重度までさまざまな状況が考えられますが、表現の仕方はドクター次第で変わります。これが現実です。

画像診断で問題がなくても、症状が出ている場合があります。この場合「坐骨神経痛」というボクが考える中で最もあいまいな診断名がつくわけです。ここに関しては書き出すと長くなるので割愛します。

ドクターの仕事のひとつには「診断名をつけること」が挙げられます。ですから大したことがなくても「椎間板ヘルニア」と診断名がついてしまうことは珍しいことではありませんし、坐骨神経痛なんて「ただの症状についての見解」にしか過ぎないので、治療現場では説明に窮してしまうこともしばしばです。

もし本当に椎間板ヘルニアだとしても怖がらなくて大丈夫です。
完治が難しいのは事実ですが、痛みや症状を抑えて普通に生活することは可能ですし、スポーツも問題なくできます。

ただし「適切な処置」と「地道な努力」は必要です。この2つをせずして症状を改善させていくのは難しいです。というよりは言葉が悪いですが「虫が良すぎる」と考えています。

どうすればヘルニアは改善するのか

まずは「適切な処置」です。これは「信頼できて、腕のいい治療院探し」から始まります。ハッキリ言ってしまいますが個人の情報発信なんてあてになりません。

今は誰でも好きなだけ情報発信ができます。「SNSやWebサイトが充実している=腕がいい」ではありません。もちろん情報発信をしていた方が信頼はできます。それとこれとは別の話ってことです。

できれば紹介してもらえるのが一番です。これに優る信頼はありません。個人的にはそう考えています。

ちなみに整形外科でよく行われる「牽引治療」はオススメしません。圧縮された椎間板を引き伸ばすのが目的ですが、反対に周囲の軟部組織を傷つけてしまう恐れがあると考えるからです。(こんなことを書くから「あくまで私見です」と書いています)

整体、カイロプラクティック、鍼灸、なんでもいいです。症状が改善するのであればね。マッサージや指圧などはプロにお願いして下さいね。いわゆる「もみもみ」するだけでは改善しないと考えています。

そして「地道な努力」は必ず必要です。リハビリを含めた運動や、普段から冷やさないようにしたり、腰に負担をかけないように工夫するなど、自分でできることは端から端までやることが必要です。

他人任せにしていい部分と、自分で何とかしなくちゃいけない部分、この両輪をしっかり回すことが症状改善には必要不可欠なのです。

「コルセットしてるから大丈夫」そんな声も多く聞きますが、これはダメです。コルセットをすることで腰を支える筋肉がサボります。筋肉がサボれば支える筋肉が減少していくので、結果としてますます症状は悪化していくのです。これは間違いありません。

コルセットは症状がひどい時だけにしましょう。少し改善してきたらなるべく早めにコルセットは外してください。これは正真正銘マジですよ。

椎間板ヘルニアの考察

先に書いたように整形外科で椎間板ヘルニアの診断が出た場合の処置は「牽引治療」が多く用いられています。その他マイクロ波などの温熱治療であったり、投薬や注射、最終的には手術という選択に及ぶこともあります。理学療法士がリハビリ室で処置にあたることは少ないように感じます。これはボクの周囲の整形外科がそうなのかもしれませんが。

では「適切な処置」とはそれだけなのか、結局は手術が必要なのか、と言えばそうではありませんのでご安心下さい。
近年の臨床研究で「椎間板ヘルニアは90%以上は保存的療法で改善する」とされています。言い換えれば手術になるケースは10%未満ということです。

よく整形外科と治療院、どっちがいいの?と聞かれることがありますが答えようがありません。どちらもその院によってクオリティが違いますから答えようがないし、どちらもメリット・デメリットがあります。

整形外科では画像診断ができますし、投薬も可能ですし、外科的な処置ももちろん可能です。ボクらは保存的療法しかできませんからね。保存的療法とは、ボクらのような治療家が得意としている分野です。というよりは外科的なことができない分、どうやって症状を改善していくかを日々考えて治療に当たっています。

ブロック注射などは外科的処置の一部ですが、保存的療法でもあります。ですから「整形外科か治療院か?」という考え方ではなく、「整形外科&治療院のいいとこ取り」で症状が改善していけばいいのでは?と思っています。

最後に

椎間板ヘルニアはツライです。自分自身が体験しているから分かりますが、腰も痛くなるし足もしびれるし、本当に痛みと不快感でイヤな思いをします。

痛みのある方に軽々に「大丈夫ですよ」とは言えませんが、この文章をお読みでヘルニアでお困りの方にはそれでも大丈夫だと言っておきたい。だって大丈夫ですから。

くどいようですが「適切な処置」と「地道な努力」をしていけば大丈夫です。決して諦めず上手にヘルニアお付き合いして、症状の改善に努めてもらえたらいいな、そう思います。

その他の腰痛に関しての記事はコチラからご覧ください。
その腰痛、朝昼晩、いつ痛みますか?
症状別・腰痛のカンタンな見分け方とは?

 

テーピングマスター
やまだ整骨院 院長 山田敬一

 

2019年のセミナースケジュールが決まりました。
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山田 敬一
株式会社サイモン・やまだ整骨院代表 柔道整復師 
サイモン式テーピングマスター代表
メンタル心理カウンセラー 
G-nius5メディスン認定イメージトレーナー 
藤村正宏氏主宰・エクスマ塾45期卒/エヴァ10期卒/ウルエヴァ1期卒
フロリダ族サポーター

2008年東京都文京区本駒込に「やまだ整骨院」を開院。
プロ格闘技選手のトレーナーを15年務める。
現在は東京都強豪高校野球部、大学女子バレーボール部(一部リーグ)のコンディショニングサポート中。
治療現場では「治療を通じてアナタの心と身体を応援します」をモットーに活動中。

テーピングの開発・販売・講習もしています。
(講習に関しては随時ブログにてお知らせしています)

スポーツ歴は中高生時バスケ、専門学校時に柔道、社会人になり格闘技(キックボクシング)をしていました。
修行期間13年を経て34歳で独立開業、35歳でアキレス腱断裂、41歳で大動脈解離を患い生死の境を彷徨いました。
もうスポーツは積極的にはできませんが、身体とメンタルの両面をサポートし、アスリートを目標達成へと導きます。

2020年4月よりオリジナルプロテインを販売開始。
学生競技の現場を体験して「継続して飲むなら美味しくて、身体にいいプロテインを飲んでほしい」その想いからオリジナルプロテインを作りました。

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