「誰かのために」は偽善なのか?ペイフォワードから考える「偽善のすすめ」

「誰かのために」は偽善なのか?ペイフォワードから考える「偽善のすすめ」

誰かのためになる

何事にも影響を受けやすい自分。スポーツでも映画でもドラマでも人でも、何でもそう。
今回は信頼する方の影響でペイフォワードを観賞してみました。

「あからさまなアカデミー賞狙いの映画」と映画公開時は揶揄されていたようですが、結果的に大ヒットし、多くの人の背中を押すことになった映画です。

一度目の観賞は釈然をしないままストーリーが流れていきました。
一度観ただけでは理解しにくかったので、勢いのまま二度目の観賞に突入です。
そこであることに気づきました。
観たことのある方の感覚と、ボクの受けた感覚は少し違うかもしれませんが・・・。

以下、映画を観た方は分かる内容です。ネタバレOKの方はコチラを参照して下さい。
「ペイフォワードあらすじ」

▲ペイフォワード、このシーンだけを観ても思い出せます。素晴らしいシーンです。「Netfrix」で観られます。

偽善者でもいいじゃない

この映画を観ながら浮かんできたキーワードがあります。

偽善・信頼・挫折・肯定・嫌悪・葛藤・罪悪感・依存・恐怖・失意・希望・絶望・不安・欺瞞・・・。

これらの言葉が合っているのかどうかは分かりません。ただひとつだけ言えることは、これらは現代を生きるボクらの回りに、常日頃からついて回る言葉であるということ。

「ペイフォワード」と検索すると日本語訳では「恩送り」のような訳され方しています。

要するに「相手から受けた恩をその相手に返す」のではなく、その恩を「次に渡すこと」、これが恩送りです。恩を先に、次に送っていく、そのような感覚で捉えられています。

恩返しならギブアンドテイクになるのでしょうか。
恩送りとは言うなればテイクアンドギブ。ボクはそんな理解でした。

映画を観たことがある人は分かると思いますが、なんだか偽善っぽく見えませんか?
一度目の観賞後はそんな感覚に陥りました。

しかし経営者のはしくれとしては、ここから何でもいいから学び取りたい。
だからあえて二度目の観賞を試みました。
なんとなくですが腑に落ちたような、点と点が結ばれて線になるような感覚を得ました。

それが「偽善者でもいいじゃない」そんな感覚です。

主人公のトレバーくんは中学一年生。ある時、新任教師のシモネット先生にこう言われます。
「世界を変える、より良くする方法を考えよう。そして自分にできることは何か考えて、それを実行しよう」というものでした。

そこでトレバーくんは3人を喜ばせようとします。
ホームレス、シモネット先生、いじめられているクラスメイトの計3人です。
その3人がまた次の3人に喜んでもらえば、喜んだ人が合計9人になります。
これはとんでもないアイデアです。シモネット先生大絶賛です。

これが「恩送り」です。題名のペイフォワードですね。

これはなかなかのものですよね。恩を送られても喜んで終わり、こうなってしまうことの方が多いと思います。ボクがこの渦中にいたら次の3人に恩送りできるか?と考えたら、たぶんできそうにありません。

偽善、そして葛藤罪悪感を受け入れる

「相手に喜ばれること」これが商売をしていくには基本なのだと思います。
これをし続ければおのずと繁盛する、売上や利益を気にするのではなく「相手の喜ぶこと」を考え続けること。

これも見方によっては偽善っぽい。
だってこれでしっかり利益を上げるんですから。

でもボクは思います。「偽善」でいいのではないか?と。
そして「善」ってそもそも怪しいのではないか?と。

商売は等価交換が基本です。
お金と商品、あるいはお金とサービスが交換されているに過ぎません。ギブアンドテイクが同時に起きている状態とも言えます。双方から恩返しが起こっているような感じです。

では恩送りって?
ボランティアを受けた方が、また他でボランティアをするような感じでしょうか。

経済活動で考えたらどうなるのでしょうか。
たぶん資本主義経済下ではなかなかシステムとしては働きにくいのではないでしょうか。

だから「偽善」っぽい。
この言葉を受け入れられないと「葛藤」や「罪悪感」を引き寄せてしまいます。

ボクの仕事でもある治療はそうでもありません。だからタチが悪かったりします。
もともと人のために術を施すのが生業ですから、人のためにというある意味偽善のような行為がそのまま仕事になっているような状況です。

主人公のトレバーくんも3人に喜ばれようとしたのはいいのですが挫折しかけます。
「ボクのやっていることで本当に世界が変わるのか?」と。
葛藤です。そりゃそうです。
中学一年生のトレバーくん、挫折しかけそして葛藤します。

そこで教師のシモネット先生に相談を持ちかけますが、でも実はシモネット先生は過去に闇を抱えていたのです。虐待されて育ったことがトラウマになっていて、しかも父親からヤケドを負わされ身体に大きな傷跡が残っています。自分を変えようと思っていても変えられない。人に受け入れられなくなり自分が怖くて殻に閉じこもっている状態です。

お母さんのアイリーンはアルコール依存症なので相談もできない。トレバーくんはお母さんにアルコールをやめてほしい。だけどやめられないお母さん。頭では分かっているけどやめられない。息子のことは大切だけど、心身が言うことを聞かない。いつも罪悪感でいっぱいです。

葛藤と恐怖と罪悪感。ここから一歩出ない限り、無限ループです・・・。
大人でもその一歩を踏み出せない。偽善でもいいから「人のために」やってみればいいのに。

偽善でも、何もしないよりはマシ

人は「勘違い」で生きている生き物だと思うのです。一瞬、その刹那、今しか生きられないのが人間です。

5分前の出来事も本当かどうか分からない。そして5分先のことなんてもっと分からない。

ある意味では壮大な勘違いの連続がこの世界を紡ぎ出している。こうやって、映画の意図を勝手に「監督サイモン作」とすり替えるならば?偽善だっていいじゃない。悪いことをするよりはなんぼかマシなんじゃないの?とも思えるのです。

恩を送ったら世の中は変わるかもしれない。そう勘違いしてみたっていいし、送られた人が勘違いの連鎖を起こしたっていい。

言い換えれば「偽善の連鎖」。これってそんなに悪いことじゃないと思うんですよね。

トレバーくんの恩送り。知らず知らずに波及していきます。ついにはテレビの取材まで受けることになっていきます。

3人に対して実行した恩送り。これが広がって、拡散して、結果的に自分に戻ってきたわけですね。その後、クラスメイトがいじめられているところを助けようとしたトレバーくんはいじめっ子にナイフで刺されて死んでしまいます。

ここが身も蓋もない結末。結末がやるせなさすぎて絶句です。
映画監督が「現実はそんなに甘くない」と言いたかったのか、「それでも恩送りを広げていくこと」の大切さを説きたかったのかは知る由もありません・・・。

5分前も5分後も分からない。全ては勘違いの数珠つなぎだとしたら。
世の中が偽善で満ち溢れていることは、ある意味「善」だと思うのです。

少しだけでも世の中が良くなったらいいな。
ホンの少しだけでもボクが世の中に役立ったらいいな。
このブログが誰かの背中を押せたらいいな。
考えたサービスが喜んでもらえたらいいな。
そう、あとはそれを実行していけばいいだけですよね。

トレバーくんが必死になって考え、3人を喜ばせようとしたように。経営者であるボクたちは「偽善」と言われようが何だろうが、誰かを喜ばせることが「恩送り」につながっていると信じて行動すればいいのです。

胸を張って自社のサービスをPRしたっていい。
誰かに喜んでもらえると思えるならそうすればいい。
世界中の全員がいい評価をしてくれることなんてないのだから。

嫌われることを嫌っていたら恩送りなんてできない。嫌われたくない人は「偽善」だと言われることを怖がっているだけです。これは実行しないための言い訳です。

実行したトレバーくんは死んでしまいました。お母さん、シモネット先生は悲しみに暮れています。しかし世界に残した恩送り、これが死ぬことはありません。一人ひとりがトレバーくんを偲び、ろうそくを持ち自宅周辺を囲むシーンは、世界は捨てたものじゃない、監督のそんなメッセージなのでしょうか?

それでも。いずれ人は死ぬと分かっていても。中学生の息子を亡くした親の気持ちは如何ばかりか。ボクなら「そんな立派な、恩送りを考えられるような人間じゃなくてもよかったのに」なんて思ってしまいそうです。

もしアイリーンお母さんも同じように思っていたとしたら。アルコール依存症だったお母さんが、その思考を持てるようになったことこそ、トレバーくんが残した恩送りの一部だと思うのです。

偽善でもいいじゃない。続けたら「善」になるよ。何もしないで外野から野次っているよりははるかにいい。口だけじゃなく実行できる人でいよう。そう心に誓います。

最後に

経営者として、親として、人として。そんなに立派なことはできなくても、目の前の相手を喜ばせることを第一に、最大限に考えて行動し続けよう。

これがトレバーくんの教えてくれたことです。
ペイフォワード、今一度ご覧になってはいかがでしょうか?

 

テーピングマスター
やまだ整骨院 院長 山田敬一

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山田 敬一
株式会社サイモン・やまだ整骨院代表 柔道整復師 
サイモン式テーピングマスター代表
メンタル心理カウンセラー 
G-nius5メディスン認定イメージトレーナー 
藤村正宏氏主宰・エクスマ塾45期卒/エヴァ10期卒/ウルエヴァ1期卒
フロリダ族サポーター

2008年東京都文京区本駒込に「やまだ整骨院」を開院。
以後、プロ格闘技選手や学生スポーツ選手のコンディショニング調整に関わりつつ、治療現場では「治療を通じてアナタの心と身体を応援します」をモットーに活動中です。
治療家向け&エステサロン・理美容院向けの施術技術講習、イメージトレーニングなどのメンタル講習などの講師も務めています。

スポーツ歴は中高生時バスケ、その後に柔道と格闘技(キックボクシング)を各3年ずつ、34歳で独立開業、35歳でアキレス腱断裂、41歳で大動脈解離を患い生死の境を彷徨いました。
もうスポーツはできないけど、身体とメンタルの両面を診ながら、目標達成へと導くことをサポートしています。

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