大動脈解離から5年。生死の境を彷徨うと人は変わるのか?

大動脈解離から生還し5年が経過しました。
毎月の通院と、毎日の薬は欠かせません。
人なんていつ死ぬか分からないものですよ。

こんにちは。山田敬一@kei883です。
文京区本駒込で開業して12年半が経過しました。
治療家として約25年。治療&スポーツ現場最優先で活動中です。

 

自分の判断を過信するな

5年前の10月2日の夜、治療終了後のことです。
急に胸が締め付けられる症状が出ました。
自分で脈を測ってみると、脈がバンバン飛びます。
「これは狭心症っぽいな〜。心筋梗塞もあるかな〜」なんてことを思いつつ、症状が落ち着くのを待って、自宅に帰ることを選択しました。

「すぐに救急車呼べよ!」と自分でも後からツッコミたくなるのですが、この時は「とりあえず家に帰りたい」となぜか思ってしまったのです。まあこれが結果的に吉と出たからよかったのですが・・・。①

明らかに夜中に症状が悪化し、妻を起こして病院に連れて行ってもらいました。
なぜかこの時も「救急車を呼んでほしい」とは言わず「#7119で心臓のドクターがいる病院を聞いてほしい」と妻に伝えています。この時の判断は救急車で近くの救急病院に連れて行かれるより、最初から心臓のドクターがいる病院に行きたかったからです。
これも後から考えれば救急救命士の方が的確な判断をしてくれるはずなのですが、なぜか自分でこう思ってしまったんですね。これも結果的にこれが吉と出たからよかったのですが・・・。②

行ったのは戸田中央総合病院です。夜中の3時過ぎだったと思います。
もうこのあたりからはあまり記憶がありません。

検査をいろいろとしてもらい「山田さ〜ん。すぐに手術しないと死んじゃいますので、これから緊急手術をしますね〜」と耳もとで大声で言われたのは鮮明に憶えています。

手術室へ運ばれる直前に「写真撮って」と妻に伝えました。「ネタになるはずだ」と思ってしまったのです。死んでしまうかもしれない、とは微塵も感じていませんでした。手術すれば大丈夫、それしか頭にはなかったのです。③

後から考えれば、というより、後々に妻にも周囲の皆さんにも怒られ、呆れられ「緊急手術直前にバカじゃないの?」と言われましたが、結果的に記念の写真になってくれたのは本当にラッキーでした。不謹慎で申し訳ありませんでした。④

そして後から聞いたのですが執刀医は今の上皇陛下の心臓の手術を担当した、順天堂大学の天野篤先生が担当して下さったそうです。
戸田中央総合病院と提携があるらしく、土日で天野先生の体が空いている時に重篤な疾患がある際は、執刀して下さるようになっているそうです。(今もそうなっているのかは不明ですが)⑤

後々に担当医に聞いた話ですが「天野先生、あれがゴッドハンドっていうんだね。30分以内に終えないと死ぬかもしれない、そんな手術を20分弱でキレイに終えちゃうんだもの。僕も初めて見たよ。あんなに手際が良くて、速くて、正確な手術は。山田さん本当にラッキーだったね〜」と。こう聞くとマジでラッキーでした。⑥

手術以外のほとんどが自分の判断でした。
たまたま①〜④まで運が重なり、最後に⑤⑥というとてつもない運が回ってきました。

かといってボクの判断はまったく褒められたものではありません。
この場合はさっさと救急車を呼んだ方がいいに決まっています。
良い子の皆さんは絶対に真似しないようにしましょう。

 

生死の境を彷徨うとは?

手術時間が約9時間半だったそうです。
人工心肺も行われたそうです。まさに一回死んだ状態です。

当然手術中の記憶はありません。
手術後にいつ起きたのかも、ほとんど記憶がありません。
後から思い出すと管やら何やらが最大で17本繋がれていたのは憶えています。

口には気管挿管され、自分で勝手に管を抜かないように手足は縛られ、意識が戻って妻の顔を見た時に勝手に涙が溢れ、嗚咽するたびに気管挿管が痛くてたまらなかった。

「オレ、生きてる。死んでない」
そう思うことで精一杯だったことはハッキリと憶えています。

よく生死の境を彷徨うと「三途の川が見える」とか「お花畑が見える」とか「川の向こう側から誰かが手招きしている」とか言われますが、ボクにはまったく見えませんでした。
人が変わるとか、悟りの境地に、とかそんなものもありませんでした。

ただ生きててよかった。
そう感じましたし、死ぬのなんて一瞬だし、いつそうなっても不思議ではないんだな。
とは今でもそう思います。

今の医療ってスゴイです。
ボクの体内には4本の人工血管と人工の心臓弁が入っています。
特に人工弁がないとボクは生きられません。人工弁のおかげで全身に血液が供給されていますし、逆流しないようになっているのですから。

そのおかげで文字通り「生かされて」います。
自分の意思で生きているのではなく「生かされている」、これは体験としては大きいです。

生死の境を彷徨うと人は変わるのか?
性格が変わるかどうかは分かりませんが、明らかに身体は変わります。
身体と心は表裏一体ですから、結果的に生死の境を彷徨うと人は変わるのでしょう。

いい方向に変わるかどうかは分かりませんが・・・

 

生かされているからこそ

もう自分で勝手に生きているのではないわけですね。
人工弁と人工血管、そして毎日の薬に生かされているわけです。
そして妻の献身的なサポートがあってこそ、生きながらえています。
明らかに人に迷惑をかけながら生きています。
これが今日2020年10月5日現在、生還してから5歳になったボクのありのままの姿です。

普段は「先生」と言われていますが、ボクなんて生かされているだけです。
助けてもらった命、生かされている命、自分自身で「生きている」とは到底思えない。

生かされているのなら、この命を使って誰かのために貢献しよう。
持っている技術や知識・知恵、経験で人の役に立とう。
誰かに頼まれて、求められてやることも嬉しいことですが、それ以上に自分自身がやりたいことと思うことををやりたい。
そしてやりたくないことは極力避けたい。(ここ重要です!)

その成果がこれだと思います。

▲これがボクのやりたかったことであり、今現在頼まれたり、求められていることの結晶です。

とはいえ、時間も体力も限界がありますし、何でもできるわけでもありません。
時間も体力も有限です。そしてその時間も体力も「強制リセット」がかかる場合だってあります。
ボクがそうであったように。

もしやりたいことがあるならやってみればいい。
もしやりなくないことがあるならやめればいい。

生きているうちは何でもできます。死んだら何にもできません。
やってみなけりゃ分からないんだから、やってみればいいんです。

生死の境を彷徨って変わったことがあるとすれば。
それは「毎日のゴハンが美味しいのはそれだけで十分幸せ」かな。

5年前に発症した際、大好きな食事(晩ゴハン)が喉を通らなかったから。
ボクは食事のたびにそれを思い出します。食事が美味しいのは本当に幸せですよ。

それ以外は大して偉そうな気づきはありません。
スピリチュアルなことも身についてませんし、死後の世界も見えません。
まだまだ俗っぽいし、欲もあるし、悟りも開けていません。

そんな人間ですがこれからも宜しくお願い致します。

 

テーピングマスター
やまだ整骨院 院長 山田敬一

 

やまだ整骨院のLINE公式アカウント始めました。
予約が混み合いやすい平日夕方や土曜日など、キャンセルが出た場合にお知らせします。先日は土曜日のキャンセルが出たために発信しましたが、即予約の連絡をいただきました。皆さんに喜んでいただけているようです。
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山田 敬一
株式会社サイモン・やまだ整骨院代表 柔道整復師 
サイモン式テーピングマスター代表
メンタル心理カウンセラー 
G-nius5メディスン認定イメージトレーナー 
藤村正宏氏主宰・エクスマ塾45期卒/エヴァ10期卒/ウルエヴァ1期卒

2008年東京都文京区本駒込に「やまだ整骨院」を開院。
プロ格闘技選手のトレーナーを15年務める。
現在は青山学院大学女子バレーボール部、大相撲佐田の海関、パリ五輪代表女子柔道57kg級舟久保遥香選手のコンディショニングサポート中。
治療現場では「治療を通じてアナタの心と身体を応援します」をモットーに活動中。

テーピングの開発・販売・講習もしています。
(講習に関しては随時ブログにてお知らせしています)

スポーツ歴は中高生時バスケ、専門学校時に柔道、社会人になり格闘技(キックボクシング)をしていました。
修行期間13年を経て34歳で独立開業、35歳でアキレス腱断裂、41歳で大動脈解離を患い生死の境を彷徨いました。
もうスポーツは積極的にはできませんが、身体とメンタルの両面をサポートし、アスリートを目標達成へと導きます。

2020年4月よりオリジナルプロテインを販売開始。
学生競技の現場を体験して「継続して飲むなら美味しくて、身体にいいプロテインを飲んでほしい」その想いからオリジナルプロテインを作りました。

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